「私はうれしいんです。息子が死んだのに「嬉しい」とは、何てことを言うんだと言われるかもしれませんが、腎臓の提供なんて誰にでも出来ることではありません。でも、息子は最後まで、ああやって人様のためになるようなことをすることが出来ました。主治医の先生にもありがたく思っています。腎臓の提供のことなんか、家族から言い出せませんし、あの時、先生から(臓器提供について)聞いてなかったら、私らの頭には提供とかはなかったですから…」
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私は死体腎で移植をして頂き、5年半が過ぎました。私にとってこの移植をして頂いたことで、ものすごい宝物を頂きました。移植して3年、妊娠そして女の子が生まれました。生む前に「生まれたら泣いてもいいのよ」と看護婦さんに言われたのですが、手術室で初めて生まれた子供にお乳を飲ませたとき、「あー、本当にこの子が私のお乳を飲んでいるんだなあ」て……。その時、子供の顔が見えないほど涙が出て止まりませんでした…。 |
旧(社)日本臓器移植ネットワーク中四国ブロックセンターの「QUOLITY OF LIFE,
QUOLITY OF DEATH」から |
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